学生プロジェクト工房
デザインワーク

 

デザイン研修活動
デザイン・トーク・セッション5

2002年7月

                 
 

語り部:本校インテリアデザイン科科長  雨宮修
  テーマ:一杯の珈琲から    
       ―
―― 磁器の魅力はどこにあるのか

       
 

 

はじめに

 

 

磁器と陶器のちがいは何かというと、陶器は土にちかく、磁器はそのかたさ、うすさからいってガラスと土の間にあるものといっていい。
磁器は東洋で発明され、西洋に伝播されたが、その当時は西洋には磁器の技術がなかったため王侯貴族の貴重品として、特に白磁が東洋からのコレクションとなり、そのためにお城には磁器の間が必ずしつらえられるといったことが流行した。

     
 


西洋磁器
の絵柄



その後、イギリスの植民地時代に紅茶文化が発達し、ティーカップとして、中国(チャイナ)や日本(ジャポネスク)の磁器が数多く西洋に渡り、その東洋趣味の絵柄が珍重されるようになった。この時期には北欧のロイヤルコペンハーゲンやドイツのマイセン、ハンガリーのヘレンドなど西洋でも磁器が作られるようになり、その絵柄に東洋趣味が模写されるようになったが、特に金魚やトンボの絵柄が見よう見まねでコピーされ、奇妙きてれつなかたちが生まれ、それが言葉で表現するなら、雑拙、エグイ、キッチュ、あやうさ等、自分(雨宮本人)の好みにあう美意識となり、コレクションの対象となった。この世界にはまると、もう、あとには戻れなかった。次から次へとコレクションし、カップだけでも現在、2000個(キャク)もある。
さて、磁器の絵付けには釉薬(うわぐすり)の下にするもの<アンダーグレース>とグリーン・グレイぐらいの色しか使えなく、ロイヤルコペンハーゲンの磁器がこの手法によるものである。ハンガリーのヘレンドはオーバーグレースで色々な色が使え、多彩となっている。それ故に、北欧系の磁器はカラフルに使える色に限度があり、地味でシンプルとなり、森林と湖の国のイメージと重なり、日本人の感性に近く、愛好家も多い。

 
 


コレクタ−
として

 



自分の好みのあう美(すき)、それが西洋絵付け磁器の世界にはあり、そのものを身の廻りに置くことによって安心するといった習癖により、現代の自分がある。
白磁 は、白磁の世界として器のかたちの美しさをみるだけの世界だが、絵付けの世界にはベンパツ姿の中国人や、とかげがレリーフとして取付けてあったり、アールヌーボー調の楕円形の皿、キズ部分をかくすためのチョウやトンボの絵柄、そのようなあやゆく、エグイ、キッチュな磁器のコレクションは止まらない。その他、ロイヤルコペンの磁器人形=パン(神話上の上半身人間、下半身獣)や天使、妖精の世界、マイセンのほくろのある人形(完璧さを崩すためにつけられたとみられる)等、それらに出逢う面白さ、手に入れるためのかけひき等、話はつきない――。

     
 


余 談



日本の磁器、鍋島焼きや古伊万里にも興味はあるが、それらには高価であること、収集が難しいことから手が出せない。自分の世界はあくまでもキッチュの世界であり、これからもそれらへの出逢いを求めて、収集癖は止むことはない。

     
   


雨宮先生の西洋磁器のコレクションは皆の知るところであったが、今回、心よくトークセッションをひきうけてもらえたことに感謝します。
見せていただいた作品は数点であったが、自らが手で運ばれたとか、そのコレクションの一端に触れさしていただき、その冷やりした磁器の感触とともに、指先、手のひら、目に焼きつけられた一瞬の祝福の時といってもいいぐらいの幸せな気持ちに皆がさせられました。今後とも、黒づくめのファションと共に、見事で、すばらしい習癖がなくならないように皆で祈っています。

 

H14.7.12 取材 北尾

   
                 

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